ハウスメーカーや工務店で建てる注文住宅・デザイン住宅の基礎知識
家を建てる方法として、知っておきたい知識があります。建売の住宅を購入しない場合は、それなりの知識が必要です。今回はハウスメーカーや工務店で建てる注文住宅・デザイン住宅の基礎知識についてまとめておきましょう。大きな買い物ですからじっくりと検討してほしいですね。
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ハウスメーカーで建てる注文住宅のメリットとは?
新築の家を建てる場合にイメージを具体化できる場所が住宅展示場でしょう。ハウスメーカー各社が得意分野を訴求するためにモデルハウスを建てています。見比べることができますからわかりやすいです。ハウスメーカーにするか工務店にするか悩みどころですから、それぞれのメリットをまずは比較してみるといいでしょう。
ハウスメーカーとは?
- 自分で生産設備を持っているので建材の大量生産ができる
- 設備を大量仕入れする
- たくさんの構造や間取りなど規格された家を作れる
施工する場合は地元の工務店に依頼することも多いです。システム化された管理や建材の提供で一定の水準を維持できるようにしています。
安さと良質の提供ができます
良質な家をユーザーに提供できる秘密は、建材の大量生産と設備などの大量仕入れです。システム化された家づくりをしているからこそ、コストを抑えることができます。結果的に建物の価格を抑えることが実現します。システム化されていますから、無駄を省ける面もあります。経費が少ないですから消費者に恩恵があります。
シンプルでわかりやすいこと
規格された商品になっていますから、竣工したあとの間取りや外観・コストに関してほとんど狂う事がありません。シンプルでわかりやすいメリットがあります。コストも初期の見積もりからズレることはありません。ハウスメーカーだからこそ、「この企画商品は坪単価何万円で大丈夫です」と言い切れるわけです。
安心できる保証の仕組み
ハウスメーカーではメンテナンスを含めた長期保証制度があります。例えば10年保証とか30年保証とか。シロアリ駆除を10年に1回するとしましょうか。そのあとに補修がでてきても費用をかけることなくメンテナンスできます。大きな経営規模と維持管理がしやすいから実現できる保証です。
維持管理のしやすさ
建材を大量生産しますし、設備を大量に仕入れします。補修が必要になっても簡単・スピーディーに対応できます。企画商品の建物ですから、別のところで問題があればフィードバックされます。自宅の維持管理や補修にも、こういったノウハウはいかされます。データも年月が経過するほど多くなります。トラブルが生じた場合でも解決策がみつかりやすいですね。
工務店の特徴
規模は大規模から小規模まで色々。経営規模でみたらハウスメーカーよりは小さいです。ほとんどは地域密着に特化して全国展開をしていません。移動時間が少ないほうがたくさんの現場を管理監督できます。何かあった場合でも、すぐに駆けつけることができます。
事務所から現場まで1時間から2時間圏内にしているのは、こういった理由があります。遠方の場合は断られるケースもあります。
社長・経営陣の考えが現場にも範囲しやすいですから、家づくりのどこに(建材なのか・保証なのか・間取りなのか・構造なのか)、こだわりがあるのかを確認しましょう。多くの人達に受け入れられるのは経営規模から考えると難しいです。特定の顧客に受け入れられたい特徴があります。その考えに賛同できればいいですが、そうでないならば満足できないでしょう。
工務店の場合はハウスメーカーと異なり建材を大量生産したり、設備などを大量仕入れしたりすることは少ないです。考えられるのは建材や設備が安いときに多めに仕入れをすることくらいでしょう。規格商品を作って安い価格で提供することはできません。
ユーザーの希望に応じて、一品生産をすることになりますからコストはかかります。その反面、融通は利いてもらえます。自由に間取りや構造もリクエストできるわけです。コスト面でもハウスメーカーと違って宣伝広告費用や経費は抑えています。自由設計の注文住宅の場合は、ハウスメーカーよりも安くできるでしょう。直接責任を持って施工をします。現場での豊富な実績が積み上がります。このようにすれば安くできるよ・こうしたらリクエストに応えられるなど施工のノウハウで応えることができます。
自由度・融通の高さのメリット
一品生産方式ですから、工務店の方針や構造上の法規制に抵触しない限り、リクエストに応えてくれます。外観・構造・間取りに関してフレキシブルに対応してくれます。木造の家屋で吹き抜けにしたい場合はハウスメーカーでは対応できない場合もあります。工務店ならば構造面でも問題がないように対応してくれます。数寄屋造りなど、趣向を凝らしたい家造りにも対応してくれます。
コストパフォーマンスの高さのメリット
大量仕入れ・大量生産はしませんから、建材や設備の安さではハウスメーカーに太刀打ちできません。ですが、企画商品とは違う間取りの注文住宅ならば、宣伝広告費用や経費の安さがありますから、建物価格は一般的に安くなります。価格帯によりますが、1割から2割は安いイメージです。安さがメリットとは言えませんが、ハウスメーカーと同じようなことをする場合、同じ費用でクオリティーの高い住宅ができます。
家づくりを隅々まで決定できるメリット
人によりますが、1つひとつ決めるのは面倒と考える人もいます。一品生産ですから家造りの隅々まで工務店と打ち合わせをして決めていかなければならないのです。形も色もさまざまな選択肢があります。ハウスメーカーの場合は注文住宅でもパターンや複数のデザインから選ぶことが多いです。
工務店ではそういったことをしていません。建材や設備の数だけ選ぶことができます。デザイン性に影響がないところは工務店に一任する部分もあります。しかし、やりたい気持ちがあれば隅々まで決定できます。「自分の家を作る」という感覚を持って、満足度は高くなると言えるでしょう。
デザイン住宅の基礎知識
他にはない、独創的なデザインを楽しめるデザイン住宅
外観・インテリア・空間の構成をどのようにするか……住まい全体をひとつのデザインコンセプトを持って設計された住まいのことを「デザイン住宅」と呼ばれています。デザイン住宅の一番の特徴は、他にはないオンリーワン!自分たちだけのオリジナリティー溢れるデザインの家を作り上げることができるのです。
お住まいになるご家族が好きなデザインテイストにこだわることができます。間取りだけではありません。使用する素材や、どのような仕上げにするのかに至るまで、徹底的にこだわった家造りが可能になります。近頃では意匠的なデザインだけではなくて、「住みやすさ」「心地よさ」「暮らしやすさ」などの要素も含めてトータルに住空間・住環境をデザインするというコンセプトで設計されるデザイン住宅も増えてきています。
デザイン住宅には、どういった種類があるのでしょうか?
「和風」「洋風」「和洋折衷」「シンプルモダン」など多種多彩なデザイン住宅があります。デザイン住宅の特徴は、オリジナリティー豊かなデザインであることです。デザインのテイストは、本当に幅広いものがあります。代表的なデザインスタイルは次のようなものです。
- シンプルモダン
- 現代和風
- 和洋折衷
- 南欧スタイル
- 北米スタイル
「シンプルモダン」は屋根の形も含めて全体的な形がシンプルなスタイルになっています。落ち着いたカラーリングの白やグレーを使われる特徴があります。中には、打ちっぱなしのコンクリートの素材感をそのまま外壁に生かしたデザインも人気ですね。
「現代和風」は古くからある日本の伝統的な和風のスタイルに現代的な趣を入れたデザインになっています。屋根や軒のラインが描く直線や格子などの意匠が特徴になっています。
「和洋折衷」は和風デザインと洋風デザインをバランスよく融合・ミックスさせたデザインになっています。周囲の街並みとも馴染みやすく調和しやすいスタイルで人気です。
「南欧スタイル」や「北米スタイル」は輸入住宅のテイストを取り入れたデザインとなって、目立ちますね。「南欧スタイル」は開放的で明るいイメージがあります。「北米スタイル」は重厚感がある総レンガタイル貼りになっていたり、アーリーアメリカンなどのスタイルがあります。
デザイン住宅をオーダーする場合に、どういったポイントに注意すればいいのでしょうか?
暮らしやすさや快適性にも十分に配慮するようにしましょう。デザインの良さだけでなく居住性を考えないと、住みにくい家屋になってしまいます。見た目(意匠的なデザインの美しさ)だけにとらわれてしまうと、暮らしやすさが損なわれてしまいますので注意しましょう。
具体的には次のようなポイントです。
- 生活動線がきちんと考えられているか
- 家事動線がスムーズになっているかどうか
- 収納がライフスタイルに応じてデザインされているかどうか
- メンテナンスのしやすさに問題がないかどうか
- 掃除がしやすくなっているかどうか
例えば外観もインテリアもホワイト系で統一したスタイリッシュな空間のデザインだとしましょう。最初は良いでしょうが、汚れが目立ってきてメンテナンスを頻繁にしなければなりません。大人だけならばいいでしょうがお子さまがいるご家庭になりますと、特に汚れがつきやすくなります。
大理石を床に使用したデザインの場合はどうでしょうか。掃除が大変ですし、肌触りはとっても冷たいですね。夏場は涼しさを感じますが、冬場はとっても寒くて暖房代が相当かかります。また、大理石は硬いですから足に負担がかかってしまいます。高齢者がいるご家庭には不向きでしょう。
デザイン住宅で希望のデザインを叶えるために注意したいポイントとは?
ご家族が持っている新居のイメージを正確に理解してくれる会社を選ぶことができるかどうか……これがデザイン住宅を発注する場合のキーポイントになります。デザイン住宅を建てる場合に、まずは自分達がどういった家にしたいのか、理想のデザインをハッキリとさせることが必要になります。
雑誌に掲載されている家やホームページに掲載さているデザイン住宅から、好きなテイストの写真を集めてみましょう。そうすることで、自然とデザイン住宅の好みの傾向が絞られてきます。
スクラップブックに写真を集めておいて整理しておくことをお勧めします。建築デザイナーに希望を伝えるときに、言葉で説明するよりも写真で見せたほうがストレートにイメージが伝わりますから、希望通りの仕上がりになります。
ご家族で相談して建てたい新居のイメージが出来上がったら、そのテイストデザインが得意な建築家や会社探しをします。彼らが実際に担当してできあがった家の事例を見せてもらいましょう。話をしている中で希望を的確にとらえて、理想のデザイン住宅を提案してくれるかどうかを見極めましょう。家造りのパートナーとして、安心できるのか・信頼できるのかをしっかりと判断することが大事です。
実際のデザイン住宅のプランニングでは、さきほどご紹介した写真などの資料を見せながらイメージを具体的に説明しましょう。漠然としたイメージを伝えるのはダメです。細かい部分まで納得できるまで意見交換をするべきです。そういったコミュニケーションから最終的なプランを作り上げましょう。イラスト・立面図・平面図・模型などを作ってもらい具体的なイメージを描いてもらうこともお薦めしておきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ハウスメーカーや工務店で建てる注文住宅・デザイン住宅の基礎知識をご紹介しておきました。それぞれメリットがありますので比較検討して、あなたが理想としている住宅はどれなのかを絞り込んでください。